お寿司と言えば魚介のイメージが強いですが、魚以外のお寿司も美味しいんです!高知県の郷土料理「田舎寿司」の山菜を使ったお寿司を知れば、お寿司の楽しみ方のバリエーションが増えること間違いなし。実食レポとあわせてご紹介します。
「田舎寿司」って?
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「田舎寿司」は高知県の郷土料理。その特徴は、酢飯に柚子のお酢である「柚子酢」が使われていること、そして、魚の代わりに山菜などの山の幸をネタにしていることです。
その昔、海産物が手に入りにくかった時代の高知県の山間部で、魚の代わりに山菜を使ってお寿司に見立てた料理が作られたことが田舎寿司の始まりなのだとか。昔の人たちの知恵が感じられますね。
2023年に放送されていたNHKの連続テレビ小説『らんまん』では、物語の舞台が高知だったことから、ドラマ内で田舎寿司が登場していたそうですよ。
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すえひろ屋の「田舎寿司」を実食!
「田舎寿司、気になって仕方ないぞ!」ということで、ネットでも人気なすえひろ屋さんの「田舎寿司せっと」を取り寄せてみました!
すえひろ屋さんは高知県土佐郡土佐町にあるスーパーマーケットで、50年以上前にお米屋さんとして創業されたのだとか。Google Mapで土佐町を調べてみると四国のほぼ中心に位置していました。まさに山間部ですね。
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田舎寿司が届いてから食べるまでのポイント
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小さめの段ボールで届いた田舎寿司。開封してみると「土佐寿司図鑑」なるものが。
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田舎寿司で使われている山菜や田舎寿司の作り方が紹介されているパンフレットでした。具材の説明があるのは大変有り難いです。ですが、開いて早々、
「い、いたどり(虎杖)寿司……?漫画『呪術廻戦』の主人公・虎杖って高知で有名な山菜だったのか……!」
と、全然お寿司と関係のないことで軽い衝撃を受けて思考停止しそうになったので、いったんパンフレットをそっと閉じて田舎寿司に全集中します(今度は『鬼滅の刃』がチラつく)。
![画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: 367A71FA-E0AB-49ED-8D6F-65EEC6956FE9-1-1024x768.jpg](https://sushi-and.com/wp-content/uploads/2023/12/image.jpeg)
さて、こちらの写真は田舎寿司を包んでいた緩衝材(プチプチ)を剥がした状態。パック越しでも美味しそう!
すえひろ屋さんによると、どうやら美味しい食べ方があるようです。
- 届いたお寿司は冷蔵庫で保管
- 食べる2時間ほど前に冷蔵庫から出して、室温に戻す
- 冷やし過ぎた場合はレンジで10秒ほど温めましょう
指示に従い、いざ実食です!
柚子酢と山菜のハーモニーが抜群!
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せっかくなのでパックから取り出して器に盛りつけました。魚を使っていない山菜のお寿司ですが、地味な印象はまったくなくて、色鮮やかで美味しそう!
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具材はこちら。みょうが、こんにゃく、たけのこ、しいたけ、いたどり、ぜんまい、の全6種類が2つずつ入っています。
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お吸い物を作って、いただきます!魚介のお寿司ではないので、卵とじにしてタンパク質をプラス。
さて、田舎寿司。酢飯に使われた柚子酢の香りが爽やかに効いていて、混ぜ合わせてあるゴマと生姜との相性も抜群です!
「高知県は柚子の生産量日本一。柚子酢や柚子ぽん酢、わりと何にでもかけて食べます。(『土佐寿司図鑑』より)」とのこと。わりと何にでもかけて食べる……柚子は高知県の人々に本当に愛されているんですね。
それぞれ食べてみた感想はこちら!
- みょうがは見た目も色鮮やかで、甘酸っぱくて歯ごたえも良く、さっぱりとした安定的な美味しさ。「好き。」
- しいたけは味が染みていて、口の中でじゅわっと美味しさが広がる。
- たけのこは柔らかく煮てあり、筋っぽさはまったくないのにシャクシャクとして美味しい。
- 手をかけて干しあげているというぜんまいは、くるっと丸めてすえひろ屋さんオリジナルの味付けに。はい、美味しい。
- 初めて食べたいたどりは、クセもなくシャキシャキとした歯応えが楽しい!
- こんにゃくは、なかに酢飯が入っていていなり寿司のようなシルエット。ぶりんぶりんとしていてボリュームがあり、食べ応えも◎
つまり、総じて、美味しい。
山菜のお寿司とあなどることなかれ、具材によって味付けや食感が異なり、しっかりとした食べ応えとボリュームで満足感が高いお寿司です。どれも山菜の美味しさが生かされていて、体のなかに滋味が染み渡っていくのを実感します。
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どれも美味しいのですが、個人的BEST3は、みょうが、たけのこ、いたどりでした!いたどりは今回初めて食べましたが、食感も面白くて大好きになりました。また食べたい!
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「土佐寿司図鑑」には「田舎寿司せっと」に入っているすべての具材の紹介があります。これを読んでからいただくと美味しさも倍増です。
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酢飯の説明や、「田舎寿司せっと」以外のお寿司の紹介も。他にも気になるお寿司がいっぱい……。
「田舎寿司」はこんなときにもオススメ!
「お寿司は好き。だけど生モノが食べられない……。」妊婦さんや、動物性食品が食べられない人、食べないようにしている人など、人によって様々な事情があると思います。
田舎寿司であれば、使われているものは山の幸だけなのでそんな心配もご無用。その美味しさから、「魚のお寿司の代わりに田舎寿司を食べる」ではなく、「田舎寿司が食べたい」になること間違いなしです。
また、冠婚葬祭など大勢でお寿司を食べるシチュエーションで、お寿司を食べられない人や苦手な人がいたとしても、田舎寿司があれば肩身の狭い思いをさせずに済むかも知れません。全員でお寿司を楽しめる環境を作ってしまいましょう!
(余談ですが、海外のSNSでは、出産を終えたばかりの女性が病室のベッドで赤ちゃんを抱っこしながらSushiを食べている写真をよく見かけます(笑)。海外の女性も、生モノが解禁されたら自分へのご褒美にお寿司が食べたくなるんだなぁといつもほっこりします。)
まとめ
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魚を使わず、山菜などの山の幸を使って作られた「田舎寿司」。柚子の爽やかな香りとそれぞれの食材が持つ異なる味わいを楽しめて、おなかいっぱいになれる高知の郷土料理でした。
お寿司の世界は海だけでなく山にも広がっています。機会があればぜひ「田舎寿司」を食べてみてください。